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【台湾・野党主席来日】蔡英文氏、会談相手は「答えられない」 派手な演出避け、日本からの“厚遇”勝ち取る

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【台湾・野党主席来日】
蔡英文氏、会談相手は「答えられない」 派手な演出避け、日本からの“厚遇”勝ち取る

自民党本部で細田博之幹事長代行(右)と握手する台湾・民進党の蔡英文主席=9日午後、東京・永田町

 台湾の野党、民主進歩党の総統選候補者、蔡英文主席は9日、4日間の来日を終えた。滞在中は優勢な選挙情勢や中国の反発を考慮し、派手な演出を避けて失点を避ける一方、日本政府高官との非公式会談など実務的な実績を重ねた。日本側も来年の政権交代を見据えて“厚遇”で応じた。

 蔡氏は9日、東京・永田町の自民党本部を訪問し、細田博之幹事長代行らと会談した。午前には、内閣府で政府高官と非公式に会談したと台湾メディアが報じた。蔡氏は記者団に「関係者と会談した」と会談を認めたが、会談相手は「答えられない」と述べた。

 台湾の総統選の候補者が日本の政府機関で現職の高官と会談するのは、極めて異例。蔡氏にとっては5月末~6月の訪米で国務省に入ったのに続き、対外活動の着実な成果を残した。

 蔡氏は8日には首相官邸近くのホテルで、安倍首相と接触したとみられている。民進党の呉●(=刊の干を金に)燮秘書長(幹事長)は9日、首相との会談を重ねて否定したが、接触報道は台湾の有権者に「日本の首相と直接対話できる指導者」という印象を与えたようだ。

 民進党は今回の訪日で安倍氏との近さの演出を狙った節がある。両氏は自民党が野党時代の2010年と11年の2回、台北で会談している。蔡氏は7日には首相の地元、山口県を訪問。首相の実弟、岸信夫衆院議員の案内で歴代首相の書を見学した際も、安倍氏が揮毫(きごう)した「寂然不動(心は穏やかだが信念は曲げないの意)」に見入った。蔡氏はフェイスブックに「課題に直面する上で、指導者には寂然不動の心が必要だ」と書き込み、安倍氏への親近感を示してみせた。

 蔡氏は前回総統選の候補者として来日した11年10月には、外国特派員協会や早稲田大学での講演で、対中政策などに関する発信を積極的に行った。今回は対照的に、講演は日本在住の台湾人向けに内政問題を中心に語っただけ。その一方、日本の政党幹部や政府高官との会談を通じ、政権交代の準備ができているとの姿勢を内外に示した形だ。(田中靖人)

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