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財政危機ギリシャに難民殺到、皮肉な現象に首相が悲鳴 「わが国の能力超えている」

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財政危機ギリシャに難民殺到、皮肉な現象に首相が悲鳴 「わが国の能力超えている」

 【ベルリン=宮下日出男】ギリシャに流入するシリアやイラクからの難民や不法移民が激増している。難民らはトルコを経由して船で同国に近いギリシャの離島に殺到。その規模は地中海を渡ってイタリアに向かうルートを上回るほどに膨らんでおり、財政危機にあえぐギリシャに追い打ちをかける形となっている。

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の統計では、今年1月から7月末までギリシャに入った難民は昨年同期比約7・5倍の12万4千人。7月だけでも昨年1年間の人数を上回る5万人に達した。難民はトルコ沿岸に近いレスボス島などの離島に渡っている。

 難民らの流入はこれまで、リビアなどから地中海を渡って対岸のイタリアに向かうケースが最も多かった。だが、欧州連合(EU)による警戒強化などを受け、陸路でトルコまで行き、そこから海を渡る距離の短いギリシャへの経路の比重が高まったとみられ、今年は6月末時点でギリシャが上回った。

 だが、レスボス島などを視察したUNHCR担当者は7日、現地では衛生面や物資などを含む受け入れ態勢が整っておらず、多くが「屋根がない状況で寝ている」と指摘。「完全な混乱状態にある」としてギリシャ側に対策を強く求めた。

 ギリシャのチプラス首相も7日、緊急に対策を協議し、難民らの本土への移送手続きを進めるなど改善を図ると表明。ただ、同国は財政危機下にあり、「わが国の能力を超えている」としてEUに支援も訴えた。

 このままでは難民らがEU域内を移動し、英国に向かう不法移民らで混乱する仏北部カレーのようになりかねない。UNHCR担当者は「新たなカレーを生まないことが最優先」と語り、「欧州諸国はギリシャを支援すべきだ」と強調した。

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