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【世界遺産登録問題】これまでも「政治の舞台」に 日韓間の外交問題に発展  

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【世界遺産登録問題】
これまでも「政治の舞台」に 日韓間の外交問題に発展  

カンボジア北部にある世界遺産のヒンズー教寺院遺跡「プレアビヒア」(共同)

 【ボン=宮下日出男】「明治日本の産業革命遺産」の世界文化遺産への登録をめぐっては、韓国が「強制徴用」の明示を求めて日韓間の外交問題に発展した。過去にも国連教育科学文化機関(ユネスコ)が「政治問題の舞台」となり、諮問機関の登録勧告が覆された例もある。

 世界遺産に政治が絡んだ例に、よく挙げられるのはカンボジアとタイの国境付近にあるヒンズー教寺院遺跡「プレアビヒア」。カンボジアが申請し、2008年に世界遺産に登録した。だが、これを機に周辺の国境未画定地域の領有権をめぐる両国の緊張が高まり、両国の軍事衝突に至った。

 イスラエルが申請した「ダンの三連アーチ門」の場合、諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモス)の登録勧告が覆された。08年の世界遺産委員会の審議でヨルダンが国境問題に絡んで反対し、エジプトなどがヨルダン支持を表明した。三連アーチ門は11年の委員会で遺産としての価値を認めつつも、「国境問題解決まで延期する」との結論になり、今も登録されていない。

 ただ、実際にイコモスの登録勧告が覆されたのは三連アーチ門だけ。教育や文化を通じて平和の促進を図るユネスコの精神の下、世界遺産は「顕著な普遍的価値」を持つ文化・自然財の保護を目的とする。イコモスは「科学的な方法」で公平に遺産の価値を判断するための存在であり、その勧告は重い。

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