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【正論】ロシアの孤立際立った戦勝式典 北海道大学名誉教授・木村汎

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【正論】
ロシアの孤立際立った戦勝式典 北海道大学名誉教授・木村汎

 プーチン大統領は、いたく失望したに違いない。5月9日の対独戦勝70周年記念式典への諸列強首脳の出席率が想像以上に芳しくなかったからだ。2005年の60周年記念には、53カ国が参加した。ところが今回は68通もの招待状を送ったにもかかわらず、それに応えたのは20カ国にすぎなかった。

 わが国では安倍晋三首相の出席の是非から同式典に注意が向けられがちだった。小稿では、同式典の主催国、ロシア側の観点に立って、出席国減少の事態が一体何を物語っているのかを考えてみよう。3つの特徴が指摘される。

《プーチン流の身勝手さ》

 1つは先進7カ国(G7)のボイコットである。60周年記念にはG7の首脳の多くが参列したが、今度は1カ国も参加しなかった。G7とロシア関係に生じた変化の象徴と解釈すべきだろう。

 G7はゴルバチョフ、エリツィン両政権期のソ連、ロシアが徐々に欧米モデルに接近し、移行しつつあるとみなした。そのように楽観的な見通しを行った結果、G7はロシアを招き入れ主要8カ国(G8)を結成した。ロシアは日本との間で領土問題を抱え、平和条約すら未締結であるとの理由で、橋本龍太郎首相は難色を示したが、主唱者のビル・クリントン米大統領によって押し切られてしまった。

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