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【外信コラム】ソウルからヨボセヨ 韓国文化財の今昔

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【外信コラム】
ソウルからヨボセヨ 韓国文化財の今昔

 韓国で最も美しい石塔は忠清南道・扶余に残っている百済時代の定林寺の五重の塔だろう。1970年代に初めて訪れた時、土台の石がちょっぴりぬれていた。臭いをかいでみたら小便の跡で、近くで遊んでいた子供か誰かがひっかけたらしい。

 国宝がこれでいいのかと義憤(?)にかられたが、今は囲いがされしっかり保存されている。80年代に新羅の古都・慶州の南山の山道で立ち小便をしたら、目の前の木立で岩に刻んだ仏様がほほえんでいた。当時でもこんな調子だから、昔の韓国は文化財の保護や管理はさぞいいかげんだったろう。

 最近、ソウル市は市庁前の古宮・徳寿宮周辺を歴史的文化空間として整備する計画を発表した。その際、隣接していた日本統治時代の逓信局の建物(その後、国税庁)を撤去し公園にするというが、この建物についてマスコミは「王宮の正気を損なうための日帝の残りカス」などとまたあしざまに伝えている。

 韓国では日本統治時代に文化財は損なわれたと教えられ信じられているが実際は逆で、韓国には近代的な文化財意識がなかったため日本はむしろ保護、保存に努力した。ただソウルの王宮については近代的な都市づくりのため縮小や撤去をやっている。日本で江戸城や大阪城の敷地が昔のままではないのと同じように。(黒田勝弘)

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