記事詳細
米東部ボルティモアで人種暴動 州知事が非常事態宣言、州兵出動

【ニューヨーク=黒沢潤】米東部メリーランド州ボルティモアで27日、警察へ連行される途中に負傷し、死亡した黒人男性(25)の葬儀に集まった黒人住民らが暴徒化した。警官隊との衝突に加え、放火や略奪も相次ぎ発生。ホーガン州知事は市内に非常事態宣言を発令し、州兵1500人を出動させた。
オバマ米大統領は情勢を憂慮し、同日就任したばかりの黒人女性司法長官、リンチ氏をホワイトハウスに呼び、事態沈静化への方策を協議した。ボルティモアは、安倍晋三首相が訪問中の首都ワシントンから約60キロ。
米CNNテレビなどによると、暴徒らは警官隊に投石したほか、警察車両を破壊。老人センターや商店、などに放火し、ショッピングモールや酒屋、薬局などで略奪を行った。警官隊は閃光手榴弾や催涙ガスで鎮圧、少なくとも27人を逮捕した。この衝突で警察側に15人の負傷者が出た。
ホーガン州知事は声明で、「ボルティモアでの暴力行為は許されない」と強調。現場には最大5千人の警官が投入される予定だ。市内では16歳以下の子供を対象とした外出禁止令が出され、28日夜には全市民が対象となる。市内の学校の臨時休校も決まった。