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【ウイークリーワールド】かき消される人権批判…英ローズ奨学金「中国シフト」で露骨な英の“実利主義”

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【ウイークリーワールド】
かき消される人権批判…英ローズ奨学金「中国シフト」で露骨な英の“実利主義”

威厳を感じさせるオックスフォード大学のキャンパス。現時点でも907人の中国人留学生が学んでいるが、歴史と権威を誇るローズ奨学生としての受け入れも始まれば、中英の関係はいっそう緊密になる=英イングランド東部のオックスフォード(ゲッティ=共同)

 英オックスフォード大学は先週、世界最古の国際的奨学金制度である「ローズ奨学制度」の適用範囲を来年から中国にも拡大すると発表した。英帝国主義時代の政治家で、南アフリカでの金鉱経営などによって巨富を得たセシル・ローズ(1853~1902年)=写真(ゲッティ=共同)=の遺言によって始められたこの留学生への奨学金制度は、歴史のみならず権威も高く、奨学生たちは留学後、各国で指導的地位に就いている。ただ、対象国が米国や旧英統治国などに限定されていた。今回、中国にも門戸を開放することを決めたのは、英政府の中国重視を反映しており、背景には大英帝国時代からの伝統である、冷徹に国益を見据えた深謀遠慮がありそうだ。

 ローズが残した莫大な遺産の一部を基金にしたローズ奨学制度は、1903年に第1回の留学生を迎え、これまでに8000人近くのOB・OG(77年からは女性にも開放)を輩出し、そのうち約4500人が今も健在で、一大ネットワークを形成している。有名なOBは、ビル・クリントン元米大統領(68)、「ハーバード白熱講義」で有名なマイケル・サンデル・ハーバード大教授(62)、トニー・アボット豪首相(57)ら枚挙にいとまがなく、米国ではローズ奨学金が受けられれば、パワーエリートへの道が約束される。

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