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【テロリストの軌跡・チュニジア襲撃(上)】異常な信仰心、友人と縁切る…当初は警察署攻撃計画か

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【テロリストの軌跡・チュニジア襲撃(上)】
異常な信仰心、友人と縁切る…当初は警察署攻撃計画か

チュニジア政府は21日、首都チェニスの国立バルドー博物館内で、ライフルを構えて歩くテロリスト2人(右)を映した防犯カメラの映像を公開した(AP)

 チュニジアの首都チュニスのバルドー博物館が18日白昼に襲撃され、日本人観光客3人を含む21人がテロリストの凶弾に倒れた。現場で治安部隊に射殺された襲撃犯2人とは誰なのか。なぜ世界を震撼(しんかん)させた蛮行に及んだのか。チュニジアで2人の足取りを追った。

 兄には一種の予感があった。「弟は早く死んでアッラー(神)の下に行きたいと考えているのでは」

 チュニジア西部の村イブラヒム・ザハールで1年半ほど前、襲撃犯となるジャーベル・ハシュナーウィ(19)に突如、大きな変化が訪れた。「(イスラム教の聖典)コーランを読みながらボロボロと涙を流し始めたんだ」と兄のムラード(29)は振り返る。「神と一つになれたと感じていたようだった」

 ジャーベル本人には天啓に等しい経験だったのだろう。つかれたように聖典を読みふけるようになった。

 未明まで机に向かい、1時間ほど仮眠して夜明けの礼拝に起き出す。偶像を否定するイスラムの教えに忠実であろうと、自分の写真をすべて焼き捨てる-。

 「とてもじゃないが普通の信仰態度じゃない」。ムラードは今、弟を「病院に連れて行けばよかった」と自責の念に駆られている。

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 その約半年後、イブラヒム・ザハールから約200キロ離れた首都チュニスでは、後の共犯者、ヤシン・アビーディ(27)も強烈な信仰心を抱くようになっていた。足しげくモスク(礼拝所)に通い、少しずつひげをたくわえた。同時に、「それまでの友達全員と縁を切ってしまった」と幼なじみの男性は言う。

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