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【国際情勢分析】
「一国二制度でなく二国一制度を」中国を挑発する台北新市長に市民“喝采”
昨年11月末の統一地方選で台北市長に当選した柯文哲(か・ぶんてつ)氏(55)の勢いが止らない。12月末の就任直後から矢継ぎ早に前任者の決定を覆す一方、持ち前の直接的な物言いで物議も醸している。メディアの注目度は馬英九総統(64)や野党、民主進歩党の蔡英文主席(58)を上回り、柯氏の言動には中国当局も神経をとがらせる。その分、批判もくすぶり始めており、「柯文哲旋風」がいつまで続くのか、注目されている。
即断・直言に庶民の喝采
柯氏は12月25日の就任当日、台北駅前の渋滞を引き起こしているとしてバス専用道の廃止を指示、わずか数日で車道の中央にあるバス停を撤去させた。専用道は、馬総統が台北市長時代(1998~2006年)に設置したもので、柯氏の前任の●(=赤におおざと)龍斌(かく・りゅうひん)氏(62)が市長の時から必要性が議論の対象になっていた。だが、●(=赤におおざと)氏は同じ中国国民党の馬氏に配慮して判断を避けていたとされ、柯氏の即断即決は、国民党時代からの決別を市民に印象付けた。
柯氏はその後も、ネットを利用した局長級幹部の公募や、前市長時代に決まった大型公共事業の契約見直しを主導。統一地方選で国民党候補を応援した電子機器受託製造(EMS)大手、鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘会長(64)が主要紙に広告を出して「48時間以内」の市の資料公開を要求すると、「市政府は公共機関で、鴻海の子会社ではない。財閥はなぜこんなに傲慢になれるのか」と批判し、所得格差の拡大で大企業に不満を持つ庶民の喝采を浴びた。
