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【後藤さん殺害映像】イスラム世界で何が起こっているのか 村上大介 論説副委員長

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【後藤さん殺害映像】
イスラム世界で何が起こっているのか 村上大介 論説副委員長

 現代のイスラム主義運動は、西洋的な法秩序や規範による近代化の反発と、イスラム法への原点回帰を通じて“理想社会”を追い求めるという点では通底している。それが穏健・平和的な手法で達成されたとしても、西欧的な価値観を共有する国々との一定の摩擦は予想されよう。

 しかし、こうした問題の軟着陸をいっそう困難にしているのが、20世紀後半に顕著となってきた暴力的ジハード(聖戦)を掲げる過激思想だ。

 その最も先鋭的な形が、いま直面している「イスラム国」だ。米中枢同時テロを実行した国際テロ組織アルカーイダのバージョン2・0とも形容される。

 イスラム国などイスラム過激派の敵は、キリスト教を背景とした欧米だと受け止められがちだ。だがイスラム過激派の変遷を一歩引いてみると、違う様相が現れてくる。

 過激派は世界各地でのテロによりイスラム教徒が暮らしにくい状況を作り、あえて「文明の衝突」を引き起こすことで、伝統的で穏健なイスラム教解釈の下で平和に生きてきた圧倒的多数のイスラム教徒を、自分たちの過激なジハードに引き寄せようとしているのではないか。

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