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【イスラム国殺害脅迫】
目まぐるしく変わる要求 ヨルダン、一時は「一括解放」模索も…
【アンマン=遠藤良介】日本人殺害脅迫事件で、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」とみられるグループは27日、新たな音声付き画像を発表し、後藤健二さん(47)とヨルダンに収監されているサジダ・リシャウィ死刑囚の身柄交換を改めて求めた。中東のメディアではこれに先立ち、ヨルダン政府が後藤さんと自国軍パイロットの「一括解放」を模索しているとの観測が強まっていただけに、ヨルダン、日本両国政府が翻弄されている印象は拭えない。
もともと、ヨルダン政府が解放を目指していたとされるのは、昨年12月に搭乗機の墜落でイスラム国に拘束された軍パイロットのモアズ・カサスベ中尉だ。
新たな音声付き画像では、中尉は身柄交換の対象としては触れられておらず、リシャウィ死刑囚の釈放が遅れて中尉が死に至った場合、ヨルダン政府に「責任がある」と指摘されている。
ヨルダンは「対テロ」で米欧と協調する姿勢を鮮明にしているが、米国主導のイスラム国空爆には距離を置くべきだとの世論も根強い。首都アンマンでは26日、カサスベ中尉の解放を求める集会が開かれ、国会議員や中尉の親族も参加。集まった人々は後藤さんの無事解放を願う連帯の意思も示した。
カサスベ中尉の救出に失敗すれば国民の反発は必至で、ヨルダン政府は日本との関係も考慮した難しいかじ取りを迫られている。
