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【イスラム国殺害予告】
覆面男はロンドンなまりのヒップホッパー 「ジハーディ・ジョン」の異名も…

【ロンドン=内藤泰朗】イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」によるとされる殺害警告の映像では、英国人とみられる黒い覆面の男が日本人とみられる2人の間に立ち、ロンドンなまりのある英語で殺害を警告した。この男が英国人である可能性が高い。英国出身のジハーディスト(イスラムの聖戦主義者)は世界に拡散力のある英語で発信し、対外宣伝で中心的な地位を占めているものとみられる。
英BBCテレビは20日、公開された動画を放送。ナイフを見せながら話す覆面の男が「ジハーディ(聖戦主義の)・ジョン」のニックネームを持つ英国人とみられ、日本政府の中東支援はばかげたことで、方針の転換と日本人の人質解放のために身代金支払いを要求しているなどと伝えた。
報道によると、「ジハーディ・ジョン」は、ロンドン西部に住んでいたヒップホップアーティストのアブデルーマジェド・アブデル・バリー容疑者(23)。著名な英ロックバンド、ビートルズのジョン・レノンから取ったとされる。
1年半以上前に英国を出国。昨年6月には、ツイッターで「薄汚れた者(異教徒)たちよ、ライオンは間もなくお前たちの裏庭に首を切りに現れる」と書き込んでいたという。
同容疑者は、エジプトにルーツがあるとされ、父親は1998年のケニアとタンザニアの米国大使館爆破事件に関与したとして、米国当局からテロ罪で起訴されている。