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【仏紙銃撃テロ】「過激組織の主張、若者への浸透防げ」 ファラ・パンディス元米国務省イスラム社会特別代表

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【仏紙銃撃テロ】
「過激組織の主張、若者への浸透防げ」 ファラ・パンディス元米国務省イスラム社会特別代表

 フランスの風刺週刊紙シャルリー・エブド本社銃撃という悲劇的な事件は、過激組織による若者の募集問題に、より一層のエネルギーと情熱を注ぐ必要があるという現実をわれわれに突き付けている。私は、この問題に対する解決策はあると考えている。

 まず明確にしたいのは、今、イスラム社会で起きていることは「世代交代」の問題であるということだ。

 2001年の米中枢同時テロの後に成長した30歳以下の世代は、(1)インターネットに親しんだ「デジタル・ネーティブ」である(2)メディアで「イスラム」について大きく取り上げられる中で育った(3)世界の仲間集団とのつながりがある-という特徴を持っている。

 銃撃事件に関わった容疑者はいずれも30歳前後。彼らは一夜にして過激化したわけではない。彼らが長い時間をかけて何に触れ、それが彼らに何をもたらしたのか。世代が若くなればなるほど(過激思想の)影響を受けやすくなることを理解することが必要だ。

 クリントン前国務長官の下、イスラム社会特別代表として80カ国のイスラム社会の若者と話をした経験からすると、彼らは一様に「アイデンティティー(自己認識)の危機」を抱えている。祖父母や父母からイスラム教に関する疑問に答えが得られないと分かると、身近ではない他者から答えを得ようとする。

 過激組織の声高な主張が、彼らの疑問への答えであることが非常に重要だ。若者向けの形で「自己認識の危機」に語りかけることで、過激組織はその思想を売りつけているからだ。

 今回の事件を踏まえ、過激組織の主張を押し返す声を地域社会の中で高めていくような、若者に向けた草の根の取り組みが必要とされている。(談)

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