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【アジアの目】
中国軍の文民統制は機能するか…王国化した「人民解放軍」の手綱は締められたのか
チェン・ヨ・ズン元仏外交官
アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議における日中首脳の歴史的握手は、さまざまな意味で大きな話題になった。両首脳の硬い表情に意味を見いだそうとする向きは多い。しかし、互いの国内世論を意識した演出にこだわるより、この首脳会談に至った日中合意をみると、長年、外交の世界に身を置いた私でも拍手を送りたいほど、苦し紛れではありながらも、互いのメンツを保った見事な妥協だった。
衝突回避へ協議開始
日中両国の世論は、ともに「尖閣」と「靖国」の2点について、どちらが譲歩したかに注目しているが、第三者である私から見れば、最大の成果は世界第2と第3の経済大国が感情的ないがみ合いから起こりうる破滅的戦争をかろうじて遠ざけ、軍事衝突回避措置の協議開始に合意したことである。
衝突回避への取り組みは、両国の軍関係者の間で、既に静かに進められている。ときに極端な憎悪に走る国民感情に左右されることなく、戦火を交える場合に直接の当事者となる軍関係者同士が、戦争回避の方策を冷静に探るのは心強い。
軍関係者同士の話し合いといっても、さまざまな障害が予想される。その一つに、協議相手の当事者となる人民解放軍の文民統制が、きちんと機能しているかという問題が、しばしば取り沙汰されている。
