記事詳細
中国経済、崩壊か…中国版アベノミクス不発 社会主義国家を待ち受ける“2つの罠”とは
7~9月期のGDP速報値を発表する中国国家統計局の盛来運報道官=21日、北京(共同)
中国の国内総生産(GDP)成長率が減速した背景には、習近平政権が成長の「量」よりも、シャドーバンキング退治など構造改革を優先させる「質」の追求に軸足を移したことがあるとみられる。
深刻な大気汚染など、環境問題を含む数多くの歪(ひず)みを生んだ年率10%前後の高度経済成長からのソフトランディング(軟着陸)の過程で、一定の減速は想定内だった。中国政府が社会安定のため最重要と考える雇用問題も安定感を保っているとの認識で、多少の成長鈍化は容認する構えだ。
しかし、市場独占体質を色濃く残す国有企業の「改革」を打ち出した李克強首相の経済政策「リコノミクス」は道半ば。高止まりから下落に転じた不動産市況の悪化が経済成長の足を引っ張る速度が、既得権益層の抵抗に阻まれて進まない構造改革を追い越してしまえば、中国経済は成長も改革もいずれも失速する厳しい現実に直面しそうだ。
アクセルとブレーキ、ギアチェンジに、助手席の同乗者の顔色うかがいと、気配りせねばならない経済運営の“矛盾”が軟着陸の過程で噴出した。中でも最大の課題は不動産市況とシャドーバンキングだろう。
リコノミクスでは、金融監督当局の目の届かないグレーな融資が不良債権の山となって金融危機を招かないよう改革を急ぐはずだった。だが、融資規制が不動産市況の悪化に拍車をかける悪循環を生んだ。これは不動産を担保に取引規模を肥大させたシャドーバンキングの致命傷にもなる。
成長率の鈍化で中国経済には「2つの罠(わな)」が待ち受ける。一つは、中南米諸国などと同じく、先進国入りする前に経済成長が伸びなくなる「中所得国の罠」に陥る懸念が一段と現実味を帯びることだ。
