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同性愛者への「寛容」表現を削除 バチカン司教会議、保守派猛反発で

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同性愛者への「寛容」表現を削除 バチカン司教会議、保守派猛反発で

「世界代表司教会議」臨時総会で、高位聖職者らに語りかける法王フランシスコ=18日、バチカン(AP)

 【ベルリン=宮下日出男】バチカンで5日から開かれていたキリスト教カトリックの「世界代表司教会議(シノドス)」が19日閉幕した。同性愛者への寛容な態度の是非をめぐり激しい議論が行われたが、最終的な同意を得られず、教会のタブーに関わる問題の難しさが浮き彫りになった。

 会議では18日、議論の最終報告書が公表された。同性愛者については「敬意と思いやりを持って迎えるべきだ」との項目が盛り込まれた。しかし、この項目を承認するかどうかの採決では、半数以上が支持したものの、承認に必要な3分の2以上には届かなかった。

 13日に公表された中間報告は「同性愛者にもキリスト教社会に寄与する才能と資質がある」「教義に妥協せず、彼らの居場所を保証できるか」と強調。同性愛者団体からは教会の姿勢転換への「大きな前進」などとの期待が高まった。

 だが、教義に忠実な保守派は「教会史上最悪の文書の一つだ」などと激しく反発し、最終報告書では一連の文言は修正または削除された。

 会議では原則として禁じられている離婚・再婚者への柔軟対応を示す項目も承認されなかった。ただ、教義と現実社会の乖離(かいり)への対応に向けた議論は今後も続けられる方針だ。会議を招集した法王フランシスコは18日、「活発な議論がなければ、心を痛めていただろう」と述べ、忌憚(きたん)のない意見交換に謝意を示した。

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