産経ニュース

【劇場型半島】北「秘密警察」に何が起きているのか…よぎる「ミスターX」銃殺の悪夢、これでは「拉致調査」も進まず

ニュース 国際

記事詳細

更新

【劇場型半島】
北「秘密警察」に何が起きているのか…よぎる「ミスターX」銃殺の悪夢、これでは「拉致調査」も進まず

中国・瀋陽で開かれた日朝政府間協議。左から2人目が北朝鮮の宋日昊・朝日国交正常化交渉担当大使、右から2人目が伊原純一アジア大洋州局長=9月29日(共同)

 「ミスターX」と呼ばれた北朝鮮の秘密警察、国家安全保衛部の幹部がいた。拉致被害者5人が帰国した2002年の小泉純一郎元首相の訪朝をまとめながら、その後、銃殺されたとされる男だ。今年7月以降の拉致被害者らの調査も保衛部が主導するが、ある「危機」を抱え、北朝鮮内では、ミスターXの“悪夢”の再来を恐れる声もくすぶり始めたという。滞る日本人調査報告の今後も、保衛部が危機を脱するかにかかっている-との見方も上がる。(桜井紀雄)

隆盛の“春”に調査のメス

 日朝関係者ら北朝鮮の内情に通じた複数の消息筋によると、保衛部は、昨年12月からの日本政府との秘密協議に幹部が加わり、拉致被害者らの日本人調査を主導する立場を与えられながら、同時にヒタヒタと危機が忍び寄っていたという。

 昨年12月、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の叔父で政権ナンバー2だった張成沢(チャン・ソンテク)氏の処刑を実行したのも保衛部だ。政権の「障害」を取り除き、日朝関係の進展を見込んで、外貨事業の地方拠点を拡張し始め、表面上は、まさに保衛部が利権を謳歌(おうか)するかに見えた時期だった。

 異変は今年春に現れ始めたという。朝鮮労働党や政府、朝鮮人民軍の幹部の人事を握る党組織指導部と、軍幹部を監視する軍総政治局が、保衛部トップの金元弘(ウォンホン)部長の息子が属する幹部師弟グループに対して、外貨稼ぎをめぐる不正調査にひそかに着手。夏には、組織指導部などの介入が、保衛部の業務全般に対する検閲や、同部幹部一人ひとりの思想教育にまで及ぶようになったという。

「ニュース」のランキング