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【アジアの目】豪州「もう難民はお断り!」 カンボジアへの難民移送に「人権侵害」の声も…

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【アジアの目】
豪州「もう難民はお断り!」 カンボジアへの難民移送に「人権侵害」の声も…

 ところが、裁判所が送り返すことは人権侵害として禁止する判断を下したうえ、ナウルやパプアニューギニアの収容所の環境が劣悪として、改善要求を含めて国際社会からの圧力はさらに拡大。そこで考えたのが、今回のカンボジア移住計画だ。

ムスリムが課題

 カンボジアはメコンの中心に位置しながら、人口わずか1300万で、多くが周辺国に出稼ぎに出ている。難民受け入れは労働力の確保にもつながる。

 ただ、実際にカンボジアが難民をどれだけ受け入れるのかは不透明だ。現在、ナウルなどに収容されているボートピープルの多くは、アフガニスタンなどからのムスリム(イスラム教徒)だ。仏教国のカンボジアにムスリムがなじむのは容易ではない。カンボジア国民の間にも反対は強く、プノンペンでは仏教の僧侶を先頭に、受け入れに反対するデモが行われた。

 しかし、すでにカンボジア政府当局は、受け入れた難民の収容施設の用地として、プノンペン周辺の視察を済ませている。1年後には農村部など地方に再移住させる計画だという。

 一方、合意には「オーストラリアは自主的な本国帰還のための手続きを支援する」とあり、カンボジア移住後も本国に帰りたければ、オーストラリアは支援するとしており、両国政府の姿勢には微妙な違いがある。

 今回のオーストラリアの難民政策を非難するのは簡単だ。しかし、少なくとも同国は13年に2万4300人の難民を認定している。同じ13年の日本の認定者数は6人に過ぎないことを忘れてはならない。(編集委員 宮野弘之)

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