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【再掲・記者訴追 韓国に問う】
感情優先、国として成熟せず ジャーナリスト・溝口敦氏
長年暴力団を取材してきたが、「もうこれ以上書くな」と相手から脅されることがある。書くのをやめないと次には暴力に訴えてくる。暴力的な威力で自分の表現が葬られるのは我慢がならないから書き続けてきた。言論の自由の大切さを皮膚感覚で学んできた。
実際、過去には暴力団員と思われる男に刃物で刺されたこともある。事件後は、後ろから他人の足音が近づいてくるだけでおびえて後ろを振り返ることも少なくなかった。だが、ここで書くのをやめたら、暴力に効果があったと思われるのが、僕にとって、しゃくなことだった。
その後も暴力団関連の記事を掲載した雑誌の副編集長や息子が襲われた。2人とも不幸中の幸いで軽傷で済んだが申し訳ない気持ちでいっぱいだった。それでも、暴力で来るのなら言論でやり返すという思いを強く持ち続けてきた。
加藤達也前ソウル支局長(現東京本社社会部編集委員)の記事は、基本的に韓国メディアを引用したものだ。それが、朴槿恵大統領への名誉毀損に当たるとして、ソウル中央地検が在宅起訴に踏み切ったことは異常で、韓国は国として成熟していないと思う。公人は批判を甘んじて受けないといけない宿命にある。
