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【香港民主化デモ】
「大陸みたいになるのが怖い。だから…」 学生ら切実な叫び

長期化で徐々に…官邸前は20人前後に
9月28日のデモ初日から金鐘に通う大学3年の洪さん(23)は「今の香港はかつての香港とは違う」と話す。今回のデモは、経済最優先で他者に無関心だった香港が、仕事や学業を放り出してでも正義や公平、民主主義を守る社会に変ったことを示したという。「香港が大陸(中国)みたいになるのが怖い。だから立ち上がったんです」
学生らが口をそろえるのは、香港政府が愛国教育の導入を図るなど中国に偏りすぎ、市民の声を聞いていないという不満だ。「どうせ梁氏は中央(中国)の言うことしか聞かない」と吐き捨てる声もある。それでも「政府や中国の反応を引き出すには、デモを続ける以外に方法はない」というのが共通の思いのようだ。
だが、学生らが求める梁長官の辞任や「真の普通選挙」が実現する見通しは立ちそうにない。デモが長引くにつれ、参加者も徐々に減っている。4日午前10時半、長官官邸前にいたのは20人前後。20代の男女5人は口々に「香港のテレビ局が政府寄りでなければ、こんなに人が少ないはずがない」と漏らす。台湾メディアの記者は「その気になれば清場(強制排除)は簡単だ」と言った。(香港 田中靖人)