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【香港民主化デモ】
「大陸みたいになるのが怖い。だから…」 学生ら切実な叫び

「真の普通選挙」を求めて幹線道路を占拠する学生らの街頭行動は、28日の開始宣言から1週間。中国の後押しを受ける香港政府を前に手詰まり感はあるが、若者の政治意識が急速に高まっていることを示した。「金融の街」から世界に向けて、民主主義を求める切実な声が発信されている。
「挑発するな」「暴力には負けない」
4日午前9時前、デモの最大拠点、アドミラリティ(金鐘)の駅前を占拠する学生らの間で、前日モンコック(旺角)のデモ隊を襲撃した集団約40人がやってくるとの情報が流れた。
「来たぞ」。学生らが一斉に走り出し、地下鉄の地上出口前に人垣を作った。「挑発するな」と注意が飛ぶ。別の出口に現れた壮年の男性数人も取り囲まれ、構内に姿を消した。拍手と歓声が上がり、男子学生の一人は「暴力には負けない」と胸を張った。
学生代表は繰り返し「理性的な行動」を訴えている。3日未明、政府本部庁舎に隣接する行政長官弁公室(官邸)前を包囲したデモ隊の中から、梁振英行政長官の会見に「無回答だ」と怒った数人が車道に飛び出して封鎖を試みる騒ぎがあった。だが、大勢の学生が引き戻し、自発的に「人の鎖」を作って車の流れを確保した。