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【産経抄】
7月12日

 Jポップという言葉もなかった歌謡曲全盛時代、日曜昼のテレビといえば、玉置宏の「一週間のご無沙汰でした」で始まる「ロッテ歌のアルバム」だった。美空ひばりや橋幸夫、舟木一夫、西郷輝彦の御三家ら「スタア」が勢ぞろいした番組は評判を呼び、スポンサーの「お口の恋人」ロッテも業績をぐんと伸ばした。

 ▼創業者である重光武雄氏は戦時中、故郷の慶尚南道から裸一貫で対馬海峡を渡った。戦後、進駐軍兵士の必需品だったガムに目をつけ、一代でロッテをアジア有数の企業に育て上げた立志伝中の人物である。

 ▼日本で成功した重光氏に「ぜひソウルでホテルをやってほしい」と頼んだのが、当時の朴正煕大統領だったという。皮肉にも開業した年に朴大統領は暗殺されるが、ロッテホテルは韓国有数のホテルに成長し、日本の歴代首相が宿泊するなど日韓の懸け橋にもなってきた。

 ▼そんなロッテホテルが、予約を受け付けていた自衛隊創設記念日のレセプションを前日になって「開催できない」と通告した。「お客様第一」を掲げて成長してきた企業とは思えない仕打ちである。

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