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死海、死の淵に 生活用水くみ上げで水位低下、20年余で消滅か

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死海、死の淵に 生活用水くみ上げで水位低下、20年余で消滅か

死海で遊泳する観光客。高い塩分濃度のせいで体は水面に浮かび上がる(黒瀬悦成撮影)

 最大の原因は、沿岸のイスラエルやヨルダンが1960年代以降、死海に通じるヨルダン川およびその支流から、飲料水や工業用水、農業用水として大量の水をくみ上げているためだ。

 死海は、ヨルダン川などから流れ込む水と、砂漠性の気候のために大気中に蒸発する湖水が絶妙なバランスを保ち、水位を安定させてきた。それがヨルダン川などからの大量取水のせいで湖水は蒸発する一方となり、年間約7億立方メートルの水が消失しているという。

 また、水位低下で地表に露出した、塩を多く含む沿岸部の地層が地下水に浸食され、地面が突然陥没する「シンクホール」と呼ばれる現象が湖近くのリゾート地で続発しており、このままでは観光産業も壊滅的打撃を受けかねない。

 イスラエル地質調査所のナダブ・レンスキー水天然資源局長は「死海の深さは290メートルあり、ただちに水がなくなることはない」と語るが、ヨルダンの環境団体は、「沿岸国の水需要は増え続けており、2050年には湖が消える恐れがある」と警鐘を鳴らす。

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