産経ニュース

露 エストニアと国境画定 主要領土問題 「北方四島」のみ

ニュース 国際

記事詳細

更新


露 エストニアと国境画定 主要領土問題 「北方四島」のみ

 【モスクワ=遠藤良介】ロシアのラブロフ外相と旧ソ連エストニアのパエト外相は18日、モスクワで会談し、両国の国境画定条約に調印した。両国議会の批准承認を経て発効する。条約は現状の境界線をほぼ追認する内容で、エストニアは旧ソ連併合前の国境線回復という主張を公式に取り下げた。ロシアにとっての主な領土問題は、日本との間の北方四島だけとなった。

 エストニアはロシアからの独立を法的に実現した1920年のタルトゥ条約で国境を画定させたが、40年には独ソ不可侵条約の秘密議定書に基づいてソ連に併合された。第二次大戦直後の45年、ソ連のスターリン指導部が境界線を変更して約2300平方キロをエストニアからロシアに編入した経緯がある。

 ロシアとエストニアは2005年、係争地2300平方キロについてロシアの主張を認める形の国境画定条約に調印。しかし、エストニアが条約の批准承認法案でタルトゥ条約の有効性に言及したことがロシアの反発を買い、同年の条約は撤回されていた。

 18日に調印された条約は05年の内容をほぼ踏襲し、双方にもはや領有権主張がないとの文言も盛り込んだ。また、両国の対立する歴史認識の問題が絡まないよう、条約が国境画定にのみ関わることを明記した。

 係争地にはロシア人を中心に3万人以上が居住。エストニアは04年の欧州連合(EU)加盟時に国境問題の解決を求められており、ロシアの実効支配を覆すのは困難と判断した。

 プーチン露政権は安全保障上、近隣諸国との国境の画定が重要との認識で交渉を進めてきた。ロシアは08年、中国との間に残っていた係争地をほぼ二分して国境問題を決着させ、10年にはバレンツ海の係争海域をノルウェーと折半して境界を画定した。

「ニュース」のランキング