産経ニュース

拉致は「人道に対する罪」 国連委最終報告書 金体制の関与明言

ニュース 国際

記事詳細

更新


拉致は「人道に対する罪」 国連委最終報告書 金体制の関与明言

 【ベルリン=宮下日出男】北朝鮮の人権状況を調べる国連の調査委員会は17日、日本人ら外国人拉致や公開処刑など残虐な人権侵害行為を挙げ、北朝鮮が国家として組織的に「人道に対する罪を犯した」と非難する最終報告書を公表した。北朝鮮による広範な人権侵害を裁くため、国連安全保障理事会に対し、国際刑事裁判所(ICC)に付託するよう勧告した。

 北朝鮮の人権侵害をめぐる包括的な国連報告は初めて。報告書は外国人拉致が1950年代から組織的に日本や韓国、欧州などで行われていたとした上、「最高指導者が承認していた」として、金日成主席や金正日総書記が認識していたと指摘した。

 外国人拉致によるこれまでの行方不明者は20万人に上るとし、その規模や深刻さは「例がない」と批判。被害者や家族への人権侵害は今も続き、「その衝撃と苦痛は筆舌に尽くし難い」と厳しく糾弾した。

 拉致にとどまらず、多数の餓死を出した飢(き)饉(きん)が国家統制目的の結果であり、収容者数が8万~12万人に上る政治収容所では拷問や処刑も行われていることなども列挙。報告書は国家による人権侵害としては「現代世界で比類ない」と批判。国際社会は、その対処のための「責任を引き受けるべきだ」と訴えた。

 調査委のマイケル・カービー委員長は17日の記者会見で、「金正恩第1書記自身も人道に対する罪の責任がある可能性がある」と強調した。

 調査委は昨年3月の国連人権理事会決議を受けて設置。メンバー3人は東京、ソウル、ロンドン、ワシントンで公聴会を開き、拉致被害者家族らから聞き取り調査した。昨年8月の東京での公聴会では拉致被害者の横田めぐみさん=当時(13)=の両親らが証言した。北朝鮮は調査委の入国を拒否した。

「ニュース」のランキング