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【シリア情勢】米露合意…主導権確保狙うアサド政権

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【シリア情勢】
米露合意…主導権確保狙うアサド政権

 【カイロ=大内清】シリアの化学兵器廃棄に向けた米露の合意は、アサド政権にとり、米国によるミサイル攻撃を当面回避しただけでなく、攻撃が域内の不安定化を招くとの“恫喝(どうかつ)”を米欧にある程度受け入れさせることに成功したとの意味合いを持つ。今後は、後ろ盾のロシアとともに廃棄プロセスをめぐる主導権確保を狙うものとみられる。

 シリアは、1967年の第3次中東戦争、73年の第4次中東戦争でイスラエルに敗れたのを契機に、米国の支援を受けるイスラエルとの戦力差を埋める手段の一つとして、化学兵器能力を強化してきたとされる。仮に今回の米露合意の通りに化学兵器廃棄が進めば、対イスラエル抑止力が低下し、安全保障態勢の再構築を迫られるのは必至だ。

 にもかかわらず、アサド政権側が早い段階でロシア提案への合意を表明したのは、現実には極めて可能性が低い対イスラエル戦への備えに固執するよりも、譲歩の姿勢を見せることで、反体制派を勢いづかせかねない米国のミサイル攻撃を避ける方が賢明だと判断したためだ。

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