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“変貌”するスー・チー氏 国政の現実の中で薄まる政府批判 大統領も視野?

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“変貌”するスー・チー氏 国政の現実の中で薄まる政府批判 大統領も視野?

 【シンガポール=青木伸行】ミャンマーの最大野党・国民民主連盟(NLD)の党首、アウン・サン・スー・チー氏が、昨年5月初めに連邦議員に就任してから約9カ月。その言動に大きな変化がみられる。民主化勢力と少数民族を代弁した、政府批判一辺倒の発言は鳴りを潜め、「中立」の姿勢が著しい。現実の国政にもまれる中で生じている変化に、失望感も広がる。

 スー・チー氏は議員就任の前後、少数民族の権利擁護を最優先課題の一つに掲げた。だが、軍が反政府武装勢力を空爆し、戦闘が続く北部カチン州の情勢では「政府が対処する問題だ。私は議会の民族委員会のメンバーではなく、干渉すべきではない」と述べた。

 カチン族側には、スー・チー氏の関与への期待感が強かった。それも今や「彼女の関心は少数民族の苦しみよりも、賞をかき集め大統領になることにある」(カチン族の活動家)との批判に、転換されている。

 仏、イスラム両教徒が衝突し、180人以上の死者が出ている西部ラカイン州では、救済を求める仏教徒らに、スー・チー氏は「道義的指導力を発揮すべきだとは思わない」と語った。

 銅鉱開発に反対する住民を治安当局が強制排除し、僧侶など100人近い負傷者を出した北西部サガイン管区モンユワでは、今月29日も2千人以上の住民らが抗議行動を展開した。スー・チー氏は治安当局に「僧侶への謝罪」を求めたが、住民の「即時開発中止」の要求には応じていない。銅鉱は中国企業との共同開発であるため、「住民の利益が考慮されない場合もある」とも述べている。

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