米、中国企業を上場廃止可能な監査強化法が成立 摩擦激化も - 産経ニュース

米、中国企業を上場廃止可能な監査強化法が成立 摩擦激化も

 【ワシントン=塩原永久、北京=三塚聖平】トランプ米大統領は18日、中国企業を上場廃止にすることが可能になる「外国企業説明責任法」案に署名し、同法が成立した。外国企業に対して会計監査の情報開示基準を厳格化する内容で、3年連続で基準を破れば上場廃止にできる。米政府による対中強硬策の一環で、両国関係の「デカップリング(分断)」が進み、世界の投資マネーの流れを変える可能性もある。
 同法は上院が5月に、下院が今月2日に可決済み。すべての外国企業に適用されるが、実質的には中国企業が標的。中国企業は、自国の監査法人が実施した監査情報が米当局に検査されることを、受け入れない姿勢をとってきた。そのため同法は米国企業と同様の基準を順守するよう求めた。
 米証券取引委員会(SEC)のもとにある米上場企業会計監督委員会(PCAOB)が外国企業の監査法人を検査すると規定。検査を3年連続で拒否したり、違反がみつかったりした場合、上場廃止にできる。外国政府によって所有や管理がされていないかどうかの開示も義務付ける。
 2019年上場の中国コーヒーチェーン「ラッキンコーヒー(瑞幸珈琲)」などの不正が相次ぎ、米国企業並みの監査基準を中国企業に順守させるべきだとの声が強まっていた。米議会機関によると、米証券取引所に上場する中国企業は、通販大手アリババグループをはじめ217社で、時価総額は計2兆2千億ドル(約230兆円)に上る。
 一方、米政府が、金融市場においても対中圧力を強めていることに中国政府は反発している。
 中国外務省の華春瑩(か・しゅんえい)報道官は2日の記者会見で、外国企業説明責任法案について「中国企業に対する差別的な政策で、政治的な抑圧だ」と非難。その上で「証券監督を政治化するやり方に断固として反対する」と強調した。
 別の日の会見で華氏は「中国は、正当で合法的な権益を守るため必要な措置をとる」と述べており、対抗措置も辞さない構えを見せている。