国際刑事裁判所「任務続ける」と声明 米の「懸念」受けて 協力国への影響で捜査支障の懸念も

 
ボルトン米大統領補佐官(ロイター)

 【パリ=三井美奈、ベルリン=宮下日出男】トランプ米政権が国際刑事裁判所(ICC)への制裁を示唆したボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)の発言を受け、ICCは11日、法の支配の原則に基づき「妨げられることなく任務を継続する」との声明を発表した。

 ICCは現在、スーダンやウガンダなどでの人道犯罪を捜査中。米国が協力国への制裁をほのめかしたことで、各国での証拠収集が難しくなり、捜査に支障が出る可能性がある。ICCではパレスチナが2015年に加盟手続きを行い、今年5月にイスラエルの占領支配を人道犯罪として捜査するよう要請した。

 ボルトン氏の発言に対しフランス政府は11日、「ICCは独立を保ち、権限を支障なく行使すべきだ」との声明を発表。ドイツ外務省も、「われわれはICCが非難を受けても、その取り組みを支える」とツイッターで表明した。欧州連合(EU)は設立当初からICCを支援しており、新たな米欧対立の種となりそうだ。日本などICC加盟国・地域による締結国会議も、議長声明でICCを支持した。

 米国はICC発足当初から反発しており、当時のブッシュ(子)政権は、ICCへの協力を禁じ、米国民にICCからの訴追免責を与える「米国要員保護法」を制定。米国民がICCの管轄権下に入らないことを保証する2国間協定の締結を各国に求めてきた。