EUに「特定多数決」を提案 ユンケル欧州委員長 外交政策決定で中露の影響排除 - 産経ニュース

EUに「特定多数決」を提案 ユンケル欧州委員長 外交政策決定で中露の影響排除

12日、フランス・ストラスブールで開かれた欧州議会本会議で演説するEUのユンケル欧州委員長(ゲッティ=共同)
 【ベルリン=宮下日出男】欧州連合(EU)のユンケル欧州委員長は12日、EUの外交・安全保障政策の意思決定について、28加盟国の全会一致の賛成を原則とする現行方式を改め、一定の多数が賛成すれば決定できる「特定多数決」を採用することを提案した。中国やロシアが一部加盟国との関係を通じて政策決定に影響を及ぼす事態を回避する狙いだ。
 ユンケル氏は欧州議会で行った施政方針演説で、トランプ米政権の一国主義的な動きや中露の台頭などで国際秩序が揺れるなか、EUが「グローバルプレーヤー」となるには外交力の強化が必要と強調した。
 外交安保政策の意思決定への特定多数決の導入はその一環。ユンケル氏は具体的に採用する分野として、人権問題に関するEUの態度や第三国への制裁、非軍事的なEU部隊の域外派遣の決定の3つを挙げた。
 全会一致を原則とするEUの外交安保政策では調整に時間がかかり、1カ国が反対すれば決定できないとの難点が指摘されていた。これまでには中国の人権問題や南シナ海問題で中国と関係を深めるハンガリーやギリシャが反対し、十分な対応がとれず、対ロシア制裁でも加盟国内に異論が強いため、延長の度に調整が課題となってきた。
 欧州委員会は特定多数決の採用は現行のEU条約でも可能との見解。ユンケル氏は「国際舞台で信頼に足るEUの行動を阻止しているのが全会一致」とし、迅速かつ柔軟な政策決定の必要性を強調した。