東方経済フォーラム ロシアと韓国・北朝鮮、協力思惑一致 韓国首相「ロシアへ北経由し鉄道で来たい」

 
東方経済フォーラム全体会合で話す、韓国の李洛淵首相=12日午後、ロシア・ウラジオストク(古厩正樹撮影)

 【ウラジオストク=名村隆寛】露ウラジオストクで開かれている「東方経済フォーラム」に、プーチン露大統領から招待された北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は出席しなかった。しかし、フォーラムの場では経済建設を掲げる北朝鮮を後押しする動きもあった。

 北朝鮮はフォーラムに金英才(ヨンジェ)・対外経済相を派遣。11日にはロシアと北朝鮮、韓国による経済協力会合があり、露・南北間の鉄道連結や天然ガスパイプラインの敷設、ロシア産石炭の北朝鮮・羅津(ラジン)港を経ての輸出推進で合意した。鉄道連結に北朝鮮は「最大限の努力」を約束したという。

 ロシアと朝鮮半島の鉄道連結やエネルギー協力は、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が熱望している。文氏は6月、露下院での演説で、シベリア鉄道の韓国への連結に期待を示し「北東アジア経済共同体の堅固な土台になろう」と強調した。

 文氏の代理としてフォーラムに出席した李洛淵(イ・ナギョン)首相は12日の全体会合の演説で、文氏の構想を繰り返し「今回は飛行機で来たが、次回は(北朝鮮を経由し)鉄道で来たい」と述べた。プーチン氏も文氏の意向を歓迎しており、フォーラムでは3者が一致したかたちだ。ただし、これらの経済協力は北朝鮮の非核化と制裁緩和が前提となる。

 しかし、対北制裁を盛り込んだ国連安全保障理事会決議について、ロシアには「3カ国の事業推進は朝鮮半島問題の最終的解決を待つ必要はない」(モルグロフ外務次官)と制裁決議を度外視した意見もある。

 一方、中国の習近平国家主席は安倍晋三首相との12日の会談で安保理決議の完全な履行に同意したという。ただ、中国はロシア同様、北朝鮮が核実験や弾道ミサイル発射を停止したとし、制裁緩和に前向きな立場も崩してはいない。