ブラジル大統領選で支持率首位の元大統領出馬取り下げ 元サンパウロ市長立候補へ

 
元ブラジル大統領のルラ被告(ロイター)

 【ロサンゼルス=住井亨介】ブラジルで10月に実施される大統領選挙に立候補を届け出ていた左派の元大統領、ルラ被告(72)=収賄罪で収監中=について、所属する労働党(PT)は11日、同被告の立候補を取り下げるとともに、代わりに副大統領候補のアダジ元サンパウロ市長(55)を大統領候補に繰り上げると発表した。AP通信などが伝えた。

 高等選挙裁判所は8月31日、ルラ被告の立候補を認めないと決定し、大統領候補の差し替えを同党に指示していた。ルラ被告は候補者の差し替えに同意し、党幹部へのメッセージで「アダジ氏は数百万のブラジル国民のためのルラになる」と支持を呼びかけた。

 10日に発表された調査会社ダタフォーリャの世論調査によると、アダジ氏の支持率は9%で低迷しており、これまで支持率トップだったルラ被告の人気を受け継げるかは微妙だ。

 一方、過激な発言で「ブラジルのトランプ」と異名をとる元軍人の右派、ボウソナロ下院議員(63)は、支持率24%でルラ被告に代わってトップとなったが、今月6日に暴漢に襲われて重傷を負って入院中。街頭での選挙活動に復帰できるメドは立っておらず、選挙戦は混迷を深めている。

 2003~10年に大統領を務めたルラ被告は、建設会社から便宜の見返りに高級マンションを提供されたとして、今年1月に禁錮12年1月の2審判決を受け、4月に収監された。