サマータイム、健康被害への懸念で米国で見直し論 加州では夏時間通年化の住民投票 - 産経ニュース

サマータイム、健康被害への懸念で米国で見直し論 加州では夏時間通年化の住民投票

 【ロサンゼルス=住井亨介】サマータイム(夏時間)制度が浸透している米国で、時間変更による健康被害への懸念などから見直しの動きが広がっている。年2回の時間変更をなくすため、西部カリフォルニア州では夏時間の通年化の是非を問う住民投票が11月に実施される。ただ、賛成が多数を占めても連邦議会の承認などハードルが高い。実施されれば他地域との「時差」が新たな問題を引き起こすとの指摘もある。
 米国では「デイライト・セービング・タイム」と呼ばれ、生産性向上やエネルギー節約などを目的に第一次大戦以降断続的に導入されてきた。現在は3月の第2日曜日に時計の針を1時間進めて夏時間とし、11月の第1日曜日に標準時間に戻す。ブッシュ(息子)政権時の2007年に1カ月延長されて、1年の約3分の2が夏時間となっている。
 米紙「サクラメント・ビー」(電子版)などによると、「(時間切り替えが)子供や高齢者への悪影響をもたらしている」として州下院議員が夏時間の通年化を問う住民投票を提起。11月の中間選挙に合わせて実施されることになった。
 夏時間に切り替わった直後の月曜日には心臓発作のリスクが25%高まるという研究結果があり、1時間繰り上がることによる睡眠時間の減少が原因と考えられている。
 地元紙によると、南部フロリダ州では今年3月、同様の理由から夏時間を通年化する法案が上下両院で可決され、7月1日に施行された。北東部マサチューセッツなど4州では、夏時間の廃止を検討する委員会が設立されるなどしてきた。だが、最終的には連邦議会の承認などが必要なため、冬時間に切り替わる11月にフロリダ州で夏時間が継続されるかは不透明だ。
 夏時間見直しの議論が進む州でも、周辺州との時差が州をまたぐ経済活動や通勤といった実生活に不便をもたらすと想定されている。過去の夏時間拡大時には、米国内と他国との航空機のスケジュール調整のため約1億4700万ドル(約163億7千万円)かかるとの試算が出されていた。
 調査機関「プリンストン・サーベイ・リサーチ・アソシエイツ・インターナショナル」による調査(2017年)では、米国民の55%が夏時間による時差調整を「問題ない」と答えた。