【トランプ政権】北朝鮮と戦争の恐れあった? 新刊の政権内幕本で「幻のツイート」事件が明らかに - 産経ニュース

【トランプ政権】北朝鮮と戦争の恐れあった? 新刊の政権内幕本で「幻のツイート」事件が明らかに

ボブ・ウッドワード氏の新刊「恐怖」=米ニューヨーク(AP)
 【ワシントン=黒瀬悦成】米紙ワシントン・ポストの看板記者ボブ・ウッドワード氏がトランプ政権の内幕を描いた新著「FEAR(恐怖)」が11日出版された。同書によると、トランプ大統領は核問題で対立していた北朝鮮に脅しをかけようとツイッターに「在韓米軍の家族らを韓国から退避させる」と投稿しようとしたものの、「北朝鮮が軍事攻撃開始のサインと誤解する」と恐れた周囲から強く制止されていたことが分かった。
 同書によると、問題の投稿は今年初頭、トランプ氏が周囲にひそかに提案。しかし、当時のマクマスター大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は昨年12月4日、北朝鮮の李洙●(=土へんに庸)(リ・スヨン)朝鮮労働党副委員長から仲介者を通じて「米国民を退避させれば、北朝鮮は攻撃が差し迫っていると受け止める」と警告するメッセージを受け取っていた。
 トランプ氏の提案を耳にしたマティス国防長官とダンフォード統合参謀本部議長は、問題の投稿は体制崩壊におびえる北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)党委員長を自暴自棄にさせ、核使用に踏み切らせる危険があると重大な懸念を呈した。
 しかし、投稿をあきらめ切れないトランプ氏は、信頼を置くグラム上院議員(共和党)に相談したところ、「取り返しがつかない事態になる」との助言を受け、ようやく断念したとしている。
 同書はトランプ氏による「幻のツイート」が「米朝を戦争開始に近づけさせた恐れがあった」と指摘し、トランプ氏が金氏を「ちびのロケットマン」などと呼んだ米朝首脳による言葉の応酬が重大な危険をはらんでいたと強調した。
 一方、マティス氏は、情勢判断の誤りが第一次大戦を引き起こした経緯を描いた歴史書「八月の砲声」(バーバラ・タックマン著)を引き合いに、偶発的事態を契機に米朝が戦争に突入するのを恐れ、軍事攻撃なしに北朝鮮を封じ込めるべきだとの立場だったとしている。
 「FEAR」の出版に対しトランプ氏は10日、ツイッターで「私に対する暴行だ」と改めて反発した。