北朝鮮メディア、軍事パレード放映を翌日回しに 核問題言及せず

激動・朝鮮半島
北朝鮮の建国70年の記念日に行われた軍事パレード=9日、平壌の金日成広場(共同)

 【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮の朝鮮中央テレビは10日、9日に建国70年を記念して平壌の金日成(キム・イルソン)広場で行われた軍事パレードの様子を放映した。米本土を狙った大陸間弾道ミサイル(ICBM)をはじめ、弾道ミサイルは登場しなかった。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が観覧したが、演説は金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長が行った。経済発展に重点を置いた内容で、核問題には直接言及しなかった。

 北朝鮮は建国70年を国威発揚の最大の節目と位置付けてきたが、米朝交渉が滞り、金正恩氏が、訪朝した韓国特使団を通じて改めて非核化の意志を強調する中、米国への刺激を避けた形だ。朝鮮戦争(1950~53年)の終戦宣言など、米側の譲歩を促す狙いもありそうだ。

 地対空など短距離ミサイルはパレードに登場した。軍事パレードはこれまで生中継など即日放送され、翌日に放映が回されるのは異例だ。一方で、日本を含む海外から100人以上のメディアを迎え入れ、パレードの取材を許可した。

 金正恩氏はひな壇で、中国共産党序列3位の栗戦書(りつせんしょ)・全国人民代表大会常務委員長(国会議長に相当)と手を取り合って掲げ、友好をアピール。9日の会談では、習近平国家主席の親書を渡され、中朝関係を「誰も傷つけられない特殊で堅固な関係」だと評した。

 北朝鮮は各国首脳の招請を進め、キューバやシリアなど友好国が代表団を送ったが、首脳の訪朝はほとんどなかった。

 9日夜には、5年ぶりとなる10万人規模のマスゲーム・芸術公演がメーデースタジアムで行われ、金正恩氏が李雪主(リ・ソルジュ)夫人や栗氏らと鑑賞した。4月の南北首脳会談で金正恩氏が韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と抱き合うシーンも映し出され、南北融和が演出された。