「プーチンは去れ!」…ロシアで大規模反政府集会、800人以上拘束 国民の不満高まり反映か

 
9日、ロシア・モスクワでの反政府集会で、「道理はない」と書かれたプラカードを掲げる参加者(小野田雄一撮影)

 【モスクワ=小野田雄一】ロシアの数十の都市で9日、政府による年金支給年齢引き上げ政策に反発する国民らによる集会が一斉に行われた。モスクワ中心部での集会には約数千人が参加したとみられる。ロイター通信によると、日本時間10日未明時点で、ロシア全国で少なくとも800人以上が治安当局に拘束された。プーチン政権は反体制勢力への弾圧を強めているが、強権的な政治手法や長引く経済低迷、政権長期化などへの不満が国内に募っている実態が改めて浮きぼりとなった。

 集会は露統一地方選の実施日に合わせ、反体制派の野党指導者、ナワリヌイ氏がインターネット上などで参加を呼びかけていた。しかし当局は8月25日、3月の大統領選へのボイコットを呼びかける集会を無許可で組織したとする容疑で同氏を拘束。拘束は現在も続き、同氏の広報担当者は「集会を防ぐための不当逮捕だ」と反発していた。

 参加者には20~30代とみられる若者も多く、警察車両から「社会秩序を乱す行為には公権力行使も辞さない」との警告が続く中、「プーチンは去れ」「ロシアを自由に!」などとシュプレヒコールを上げた。年金制度改革と直接的には関係のない若者らが多く参加した背景には、政府によるネット上の情報統制などへの反発があるとみられる。

 年金改革をめぐっては、財政難に悩む政府が6月、支給開始年齢を段階的に引き上げる法案を下院に提出。国民の猛反発を招き、支持率が低下した。プーチン氏は8月29日、法案内容の一部を緩和修正することを表明したが、支持率の劇的回復には至っていない。

 ナワリヌイ氏は元弁護士で、政権幹部らをめぐる不正蓄財疑惑などを告発。2013年のモスクワ市長選でも健闘したが、刑事罰を受け、3月の大統領選への出馬は認められなかった。5月にも反政府集会を組織し、同氏や参加者ら1000人以上が一時拘束された。