太平洋諸島フォーラム閉幕 「中国念頭に安保協力」

 

 【シンガポール=吉村英輝】太平洋の島国ナウルで開かれていたオセアニアの地域協力機構「太平洋諸島フォーラム(PIF)」の年次総会は5日、この地域で影響力を高める中国を念頭に「地域の安全保障協力と集団行動の強化」で合意し、共同声明を発表した。

 中国は近年、太平洋諸国へのインフラ開発援助などを拡大。「債務のわな」を懸念するトンガは、中国への債務免除要請を総会で議題にする動きを見せた。だが、クック諸島やサモアが反対して実現せず、足並みはそろわなかった。

 伝統的支援国で議論を主導したオーストラリアは総会で、太平洋諸国に治安情報を提供する新たな組織を設立すると表明。太平洋諸国の主権保護へ関与を強めていく姿勢を強調し、中国を牽(けん)制(せい)した。

 一方、台湾と外交関係がある議長国ナウルのワガ大統領が4日、「域外援助国」として総会に参加した中国代表団と発言の順番をめぐり口論となり、同代表団が退場する一幕があった。ワガ氏は「(中国は)非常に横柄」と批判。これに中国外務省の華春瑩副報道局長は5日、「国際慣例とフォーラムの規定を守らず、稚拙な茶番劇を演じた」と反発した。