サドル派、イラク新政権協議主導 第3勢力と合同会派、対米で食い違いも

 

 【カイロ=佐藤貴生】イラクで5月に行われた国会(定数329)選の結果を受け、イスラム教シーア派の反米有力指導者、ムクタダ・サドル師やアバディ首相の政党連合などが合同会派を組むことで合意した。議席数は177と過半数に達したとしており、3日招集の国会で新政権樹立プロセスを主導する構えだ。

 サドル師の政党連合は選挙の結果、国会内の最大勢力となった。サドル師は2003年のイラク戦争後、民兵組織を率いて駐留米軍と交戦する半面、隣国イランの内政干渉も拒んできた。一方、第3勢力となった政党連合を率いるアバディ氏は、スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)の掃討を通じ、米国と良好な関係を築いてきた。

 両者中心の政権が成立した場合、対米関係などで齟齬(そご)が生じる可能性もあるが、同会派にはスンニ派や少数民族の政党も加わっており、中東の衛星テレビ局アルジャジーラは「包括的な構成」と評価する専門家の談話を紹介した。

 他方、ロイター通信によると、第2勢力のアミリ元運輸相の政党連合はマリキ前首相の政党連合と会派を組む。両者はイランとの関係が深く、同国がイラクに隠然たる影響力を維持していることを示した。

 国会は3日、議長を選出し、その後、大統領の選出や政権樹立協議を本格化させる見通し。ただ、合わせて40議席超を有する少数民族クルド人の2政党は態度を明らかにしておらず、動向次第では協議が長期化する可能性もある。

 イラクは昨年12月、ISへの勝利を宣言したが、先月には西部カイムでの自動車爆弾テロでISが犯行声明を出すなど治安面の脅威は解消されていない。高失業率などで国民の不満も強く、南部バスラなどで抗議デモが日常化している。