米、太平洋島嶼国への取り組み強化へ 中国の影響力拡大に対抗

 
拡大する中国の太平洋諸国支援

 【ワシントン=加納宏幸】米政府は太平洋諸国での中国の巨大経済圏構想「一帯一路」などを通じた影響力拡大を懸念し、太平洋の島嶼(とうしょ)国への関与を強める方針だ。国務省当局者は3日までに、ここ数カ月で米政府が太平洋の数カ国と政策対話を実施し、日本や豪州を含む関係国や複数の国際開発金融機関との間で開発支援のための調整を強化していることを明らかにした。太平洋諸国の大使館スタッフを増強するとの報道もある。

 米当局者によると、米国は日豪のほかニュージーランド、フランス、欧州連合(EU)との間で太平洋諸国への支援に関して調整を実施した。ポンペオ国務長官は7月、インド太平洋地域の支援を目的とする1億1350万ドル(約126億円)規模の地域ファンド設立を発表しており、デジタル経済、エネルギー、インフラ分野で「戦略的投資」(当局者)を実施する。

 ロイター通信によると、米政府は中国の影響力拡大に対抗するため、豪州、フランス、英国とともに太平洋諸国への新たな大使館の設置やスタッフの増強を検討している。米国はパラオ、ミクロネシア、フィジーの大使館スタッフを今後2年以内に増強し、太平洋諸国に対する経済援助も増額する方針だという。

 米政府当局者は同通信に対し、「持続不可能な債務を負わせようとする中国の活動を懸念している」と述べた。また、大使館スタッフの増強には相手国に対し、中国以外から支援を受ける選択肢があることや、中国などからの「申し出を受けることによってもたらされる結果」を伝える狙いがあると説明した。

 中国は台湾と外交関係を持つパラオに団体旅行をさせないなどの圧力をかけていると伝えられている。台湾が太平洋諸国との断交の連鎖を食い止めるためには、西側の支援が必要となっているといえそうだ。