アイルランドとの国境問題、溝埋まらぬまま 首席交渉官会合

英EU離脱
会見するラーブ英離脱担当相とEUのバルニエ首席交渉官=8月31日、ブリュッセル(ロイター)

 【ベルリン=宮下日出男】英国の欧州連合(EU)離脱に向けた首席交渉官会合が8月31日、ブリュッセルのEU本部で行われた。離脱協定の合意目標とする10月が迫る中、双方は8月21日に続く会合で交渉を加速させたが、最大の難関となっている、将来の英EUの陸上境界となる英国とアイルランドの国境問題で溝は埋まらなかった。

 アイルランド国境問題では、英領北アイルランドとの間で検問所などの設置をいかに回避するかが課題。EUのバルニエ首席交渉官は会合後の記者会見で「対策なしで(離脱協定の)合意はない」と強調した。

 来年3月末の英離脱を控え、双方はその条件を定めた離脱協定に10月に合意することを目指す。ずれ込む可能性が浮上する中、ラーブ英離脱担当相は「多少ずれ込むかもしれないが、私は楽観的だ」と述べた。

 また、バルニエ氏は離脱協定をめぐり、食品や農産品の「地理的表示」の取り扱いも残る課題に挙げた。一方、双方は離脱後の将来関係に関し、安全保障や治安の協力をめぐる交渉で進展があったと強調した。