【トランプ政権】米、UNRWA通じたパレスチナ支援停止「修復不能な欠陥ある」 - 産経ニュース

【トランプ政権】米、UNRWA通じたパレスチナ支援停止「修復不能な欠陥ある」

 米ホワイトハウスで開かれた会合で、記者団の取材に応じるトランプ大統領=8月29日(UPI=共同)
 【ワシントン=加納宏幸】米国務省のナウアート報道官は8月31日、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への資金拠出を中止するとの声明を発表した。ナウアート氏は同機関の運営に「修復不可能な欠陥」があると指摘。トランプ政権は、パレスチナ自治政府に圧力をかけることでイスラエルとの和平交渉再開に応じさせることを模索しているが、イスラエルに肩入れし、パレスチナ側に厳しい姿勢をさらに明確にしたといえそうだ。
 米国はUNRWA最大の拠出国として各国に費用分担を求めてきた。今年1月には組織運営に改善がみられないとしてUNRWAの予算11億ドル(約1220億円)のうち、米国が3分の1程度を負担している拠出金の一部を凍結。8月にはUNRWAへの拠出とは別に、パレスチナ自治区ガザとヨルダン川西岸を対象にした約2億ドルの直接支援の停止を決めた。
 ナウアート氏はUNRWAへの拠出中止によるパレスチナ難民の子供たちへの影響を「深く懸念している」とし、国連機関を通じない直接支援などを検討すると強調した。ただ、どのような形で支援するかは明確にせず、生活水準の悪化に関するパレスチナ側の懸念に答えてはいない。
 UNRWAの改革に関し、米政府はパレスチナ難民認定者を1948年のイスラエル建国当時の難民に限るよう求めてきた。子孫を除外することで、イスラエルの意向に沿う形で難民認定を削減する狙いがあったが、UNRWAが受け入れず、資金拠出の中止に踏み切った。
 これにより米政府が周辺諸国に存在するパレスチナ難民の「帰還権」を否定することになれば、帰還権問題に焦点を当ててきた過去の和平プロセスに逆行することになりかねない。