【米中貿易摩擦】東証、続く様子見相場 売買低水準で上値も重く - 産経ニュース

【米中貿易摩擦】東証、続く様子見相場 売買低水準で上値も重く

 米中両国が互いに追加関税を発動した23日の東京株式市場は、東京証券取引所第1部の売買代金が、投資家の様子見姿勢などから「取引活況の目安」とされる2兆円を5営業日連続で割り込んだ。国内企業の好業績を背景に日経平均株価は底堅い一方、トランプ米政権の保護主義的な通商政策への懸念から上値も重い。動かぬ相場に市場の手詰まり感が漂っている。(佐久間修志)
 23日の平均株価は外国為替市場の円相場が1ドル=110円台半ばの円安基調で推移したことを好感して続伸で始まった。米中両国が追加関税を発動した日本時間午後1時以降も落ち込まず、前日比48円27銭高の2万2410円82銭で取引を終えた。電機株や通信株などに買いが入った。
 一方で相場全体の盛り上がりはさえない。東証1部の同日の売買代金は約1兆8214億円と今年4番目の低水準だ。野村証券の田之上章シニア・インベストメント・ストラテジストは「米中による追加関税の影響や貿易協議の行方を見定めようと積極取引が控えられた」と分析する。
 “薄商い”はこの日だけではない。2兆円割れは17日から5営業日連続と昨年12月以来8カ月ぶりの長さだ。「好材料と悪材料の綱引き状態が相場を硬直させている」。大和証券の壁谷洋和チーフグローバルストラテジストは、日本経済を取り巻く内外環境の相克が背景と指摘する。
 国内景気は堅調に推移している。内閣府が10日発表した4~6月期の実質国内総生産(GDP)速報値は年率換算で前期比1・9%増。個人消費と設備投資が順調に伸びた。SMBC日興証券によると、東証1部に上場する3月期決算企業の4~6月期の最終利益は前年同期比10・8%増で、通常は株価を大きく押し上げる好材料だ。
 ところがトランプ政権を震源とする貿易摩擦への警戒感が解けず、投資家は積極的な買いに走れない。「好決算企業が瞬間的に買われても、その後も継続した株価上昇に至らないケースが多い」(大手証券)。10日ごろからはトルコ通貨のリラに対する不安も浮上し、新興国経済全体への懸念から投資家心理に一層のブレーキがかかった。
 底にも天井にも壁が立ちはだかる中、打つ手も限られてきた。投資家は、貿易摩擦の影響を受けにくい内需関連株や1株当たり予想収益率(PER、株価が1株当たり最終利益の何倍かを示す指標)の低い割安銘柄などを物色してきたが、相場全体を押し上げるまでに至っていない。壁谷氏は「趨勢(すうせい)が定まれば大商いになる可能性もある」としながら、「“嵐の前の静けさ”はしばらく続くのでは」との見通しを示した。