文在寅大統領が解放記念日で演説 米朝に歩み寄り促す、対日批判は抑制

激動・朝鮮半島
 「光復節」の政府主催式典で演説する韓国の文在寅大統領=15日、ソウル(共同)

 【ソウル=名村隆寛】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は15日、日本の朝鮮半島統治からの解放73年に当たる「光復節」の記念式典で演説し、「安倍晋三首相と韓日関係を未来志向的に発展させ、朝鮮半島と北東アジアの平和と繁栄に向け緊密に協力することで一致した」と述べた。その上で、「(日韓の)この協力が、朝日関係の正常化をもたらすであろう」として、北朝鮮と日本の関係についても触れた。

 今年の式典のテーマは「平和」で、韓国政府樹立70周年の慶祝式典でもある。文氏は約20分間にわたる演説の大半を朝鮮半島の南北関係に割き、日米独中露各首脳らから韓国政府の対北政策への支持を得たと強調。南北関係のさらなる改善に向けて意欲を示した。

 文氏は「朝鮮半島の平和と繁栄は米朝両首脳が世界と交わした約束だ」と指摘。「北朝鮮の完全な非核化履行」を求める一方、米国には「相応する包括的措置が迅速に推進されることを望む」と訴え、北朝鮮の体制保証などに向けた行動を促した。同時に、来月予定される平壌での南北首脳会談について、「完全な非核化とともに朝鮮戦争の終戦宣言と平和協定につなぐための大胆な一歩を踏み出す」と述べた。

 文氏はさらに、北朝鮮の開城(ケソン)に設置が予定されている南北共同連絡事務所が、「数日内に稼働を始める」と明らかにした。また、南北を連結する鉄道、道路の着工式を「年内に行いたい」との意向を示し、北東アジア6カ国に米国を加えた「東アジア鉄道共同体」を設けることも提案した。

 文氏の同式典での演説は就任後2度目。昨年の演説で文氏は、慰安婦や徴用工の問題を挙げ、解決に向け「日本の指導者の勇気ある姿勢」を求めたが、今回は日本との歴史問題には深く踏み込まず、慰安婦問題などをめぐる日本の責任にも触れなかった。