台湾初の慰安婦像設置 主導の野党・国民党に批判も

歴史戦
14日、台湾南部・台南市で、除幕された慰安婦像を見上げる馬英九前総統(田中靖人撮影)

 【台南=田中靖人】台湾で初めての「慰安婦像」の除幕式が14日、南部・台南市で行われた。出席した野党、中国国民党の馬英九前総統は改めて日本政府に「正式な謝罪と賠償」を要求した。人権団体を名乗る像の設置者は事実上、同党台南市支部で、民主進歩党政権側からは「国民党は選挙のために台日関係をもてあそんでいる」(関係者)と批判が出ている。

 「慰安婦像」は、台座を除く高さ152センチの少女像。制作費約70万台湾元(約250万円)は寄付金などでまかなったという。

 設置した「台南市慰安婦人権平等促進協会」の女性理事長は記者団に「私は無党籍だ」と主張したが、促進協は4月に国民党の台南市議が設立。像は党支部脇に置かれ、式典には党の台南市長選候補も出席した。

 台南市は親日的な土地柄で民進党の地盤。頼清徳市長が昨年9月に行政院長(首相に相当)に転出した台南市政府(市役所)は「全てが国民党の政治活動だ」と批判した。像は日本人観光客も訪れる商業施設前にあり、地元記者からは日台関係への影響を懸念する声も出た。

 一方、台北にある日本の対台湾窓口機関前では、元慰安婦の支援団体が抗議活動を行った。