中国とASEAN、南シナ海「行動規範」たたき台集約 「時間稼ぎ」の懸念

 
2日、記者会見する中国の王毅国務委員兼外相=シンガポール(共同)

 【シンガポール=吉村英輝】中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)は2日、この日開いた外相会議に合わせ、南シナ海紛争回避に向けた「行動規範」の条文作成のためのたたき台となる文書を双方がとりまとめたと発表した。これを基にさらに協議を続け、草案を作成するというが、詳細は明らかにしなかった。

 シンガポールのバラクリシュナン外相によると、中国で6月に開催した協議で、南シナ海の領有権を争うASEAN加盟国と中国が、行動規範の条文のたたき台や、交渉形式で合意したという。

 中国の王毅国務委員兼外相は会議後記者会見し、「外部からの邪魔を排除できれば、行動規範の交渉は促進する」と述べ、中国の人工島周辺に艦船を展開する「航行の自由」作戦を継続する米国などを牽制した。

 ただ、合意済みの行動規範の枠組みには、ベトナムなどが求める法的拘束力は盛り込まれておらず、今回のたたき台の内容も不明だ。行動規範は、骨抜きにされる可能性がある。期限も不明の交渉は、南シナ海の軍事拠点化を進める中国の「時間稼ぎ」に使われるとの懸念が強い。