【激動・朝鮮半島】韓国の米軍基地で遺骨返還式典 北は金銭求めず、残る遺骨は交渉材料 - 産経ニュース

【激動・朝鮮半島】韓国の米軍基地で遺骨返還式典 北は金銭求めず、残る遺骨は交渉材料

1日、烏山米空軍基地で行われた米兵の遺骨の返還式典で演説するブルックス在韓米軍司令官(AP)
ソウル南方の烏山米空軍基地で米兵の遺骨を輸送機に積むため、車から降ろす軍人=1日(共同)
ソウル南方の烏山米空軍基地で米兵の遺骨を輸送機に積み込む軍人ら=1日(共同)
遺骨返還の記念式典で敬礼する米兵ら=1日、ソウル南方の烏山米空軍基地(共同)
 【ソウル=桜井紀雄、ワシントン=黒瀬悦成】朝鮮戦争(1950~53年)で戦死し、北朝鮮から7月27日に引き渡された米兵の遺骨の返還式典が1日、ソウル南方の烏山(オサン)米空軍基地で執り行われ、推定55柱分の遺骨を乗せた米軍輸送機が米ハワイに向け飛び立った。
 トランプ米政権は金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が6月の米朝首脳会談での約束を「誠実」に履行したと評価するが、北朝鮮が相応の信頼醸成措置として米側に対する朝鮮戦争の終戦宣言などの要求を強めることは必至だ。北朝鮮は先月27日以降、メディアを通じた公式の反応を示していない。
 式典では、ブルックス在韓米軍司令官や韓国の宋永武(ソン・ヨンム)国防相ら参列した約500人が、青い国連旗に包まれた金属のひつぎを前に黙祷(もくとう)。21発の弔砲も放たれた。遺骨を受け入れるハワイのヒッカム空軍基地でも式典が開かれ、父親が朝鮮戦争に参戦したペンス副大統領が出席する。遺骨はハワイで身元確認が進められるが、確定には数カ月から数年を要するとみられる。
 ギドリー大統領副報道官は7月31日、北朝鮮の核・ミサイル実験停止や遺骨返還などに関し、「誠意ある取り組みだ」と評価した。
 ナウアート国務省報道官は同日、遺骨返還をめぐって「北朝鮮から金銭を要求されていない。米国も負担を申し出ていない」と述べた。ワシントンの米朝関係者の間では、北朝鮮が「信頼醸成」の一環で回収済みの遺骨の費用を請求しないと分析されていた一方、今後の収集作業では米側に費用負担を求めてくるとの見方が支配的となっている。
 北朝鮮は当初、200柱を返還する用意があるとしていたが、今回は一部にとどまった。今後の収集分を含め、遺骨を小出しに返還することで米側のつなぎ留めを図る可能性もある。