EU離脱を前に米国との友好ムード演出で経済関連の議論前進へ メイ英首相 - 産経ニュース

EU離脱を前に米国との友好ムード演出で経済関連の議論前進へ メイ英首相

共同会見に向かうメイ英首相とトランプ米大統領=13日、アルスバーリー(ロイター)
 【ロンドン=岡部伸】英国でトランプ米大統領の訪問への抗議活動が各地で広がる中、トランプ氏がメイ英首相との13日の首脳会談後、歴史や文化を共有する米英が最高に「特別な関係」にあると述べたのは、国防費負担などで摩擦が起きている他の欧州各国を牽制(けんせい)する思惑がある。メイ氏も「特別な関係」を強調した背景には、来春の英国の欧州連合(EU)離脱を前に米英市場の関係緊密化が不可欠なため、友好ムード演出により経済関連の議論を前進させたいとの狙いがある。
 メイ氏が11日に発表した声明で、「米国との特別な関係より強い同盟関係はない。野心的な貿易関係を議論したい」と表明したのは、最大の輸出相手国、米国と新たな自由貿易協定(FTA)締結へ向けた動きを加速させたいからだ。
 EUに懐疑的なトランプ氏は英国とのFTA交渉を最優先に位置付け、会談後、「EU離脱後、米英の貿易を促進させることを確信している」と述べた。
 英国ではイスラム諸国からの入国禁止令や不法移民の親子を引き離す措置などトランプ氏の「米国第一主義」に、大規模デモなど抗議活動が各地で起きた。
 トランプ氏は地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」やイラン核合意からの離脱を表明したほか、6月にはEUを対象にした輸入制限を発動。北大西洋条約機構(NATO)首脳会議でも国防費負担をめぐり米欧間で亀裂が表面化しており、同氏は米英の「特別な関係」の修復と強化のアピールが欧州各国への揺さぶりになるとみているようだ。またエリザベス女王との面会を印象改善の機会にしたい意向とみられる。
 英大衆紙サンは、12日トランプ氏がEU離脱をめぐり、自身の助言を無視してメイ氏が、EUとの関係を重視する穏健路線を取るなら、米国とのFTAは締結されないと述べたと報じたが、会談後、トランプ氏は、「偽ニュースだ」と否定。EU離脱で米英の不協和音があることを否定した。