安倍晋三首相「金正恩氏に私の考え伝えた」 米朝首脳会談の内容、拉致家族に説明 解決へ直接交渉の意向強調

北朝鮮拉致
安倍晋三首相(右)が拉致被害者家族と家族会メンバー(左から)増元照明氏、有本明弘氏、飯塚耕一郎氏、横田哲也氏、横田拓也氏、浜本七郎氏、横田早紀江さん、家族会代表・飯塚繁雄氏らと面会=14日午後、首相官邸(春名中撮影)

 安倍晋三首相は14日、北朝鮮による拉致被害者家族会と首相官邸で面会し、12日の米朝首脳会談でトランプ米大統領が金(キム)正恩(ジョンウン)朝鮮労働党委員長に対して「拉致問題に関する私の考えを伝えた」と説明。「米朝会談を機会と捉え、あとは日本が北朝鮮と直接向き合い拉致問題を解決していく決意だ」と述べ、日朝首脳会談の開催などを実現して進展を図る考えを強調した。

 面会で首相は、自ら訪米してトランプ氏に拉致問題を取り上げるよう依頼し、実現したとの経緯を紹介。今後の日本政府の対応方針を説明した。

 これを受け家族会代表で田口八重子さん(62)=拉致当時(22)=の兄、飯塚繁雄さん(80)は「歴史的会談で拉致解決が提起されたことは喜ばしい」と期待をにじませる一方、「今後の問題は日朝でいかに早く結果を出していくかだ。ただ、以前と同じ轍(てつ)を踏まないよう、確実に日本人を帰すという約束のもと、詰めの会談をしていただきたい。今後、具体的施策を注視したい」とし、外交的駆け引きや嘘にだまされないよう訴えた。

 首相は「日朝首脳会談は拉致問題が前進していくものにならなければ意味がない。日朝の問題であり、日本が主体的に責任を持って解決していくものだ」と応じ、解決に向けた取り組みを全力で進める考えを示した。

 横田めぐみさん(53)=同(13)=の母、早紀江さん(82)は「過去にだまされ続けてきたこともあるが、拉致という難しい問題が、長い時間をかけて歴史的に大きく動いた。皆が無事に帰ってくることを願っている」と力を込め、全員救出に向けた思いを語った。