米議会、対北圧力維持を求める 合意「議会承認を」の声も

米朝首脳会談
会談で言葉を交わす北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(中央)とトランプ米大統領=12日(ストレーツ・タイムズ提供・共同)

 【ワシントン=加納宏幸】米与党・共和党では12日、トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の首脳会談を基本的に歓迎する一方、金氏が非核化の約束を果たさないまま安易に制裁を解除することを懸念する声が相次いだ。

 与野党は共同声明に盛り込まれなかった「完全かつ検証可能で不可逆的な核放棄」へ圧力を維持する必要性で一致しており、制裁解除に進む場合、議会の反対論にさらされそうだ。

 上院トップのマコネル院内総務はトランプ氏が「歴史的な和平に導くプロセスを始めた」と支持した。一方で、「北朝鮮に(非核化の)約束を守る意思がないことが分かれば、米国や同盟国は最大限の圧力を回復する用意をしなければならない」と述べた。

 マコネル氏は記者団に、北朝鮮との最終的な合意は上院の3分の2の承認を必要とする条約として議会に提出されるのが望ましいと主張した。共和党では、民主党のオバマ前政権が2015年のイラン核合意を議会の承認を得ずに結び、制裁を解除したことへの強い反発がある。

 上院外交委員会のコーカー委員長は首脳会談への評価を留保し、会談に同席したポンペオ国務長官に委員会として説明を求める考えを示した。

 対北強硬論で知られるルビオ上院議員はツイッターに「大統領は良い取引をするため金氏をおだてようとしたかもしれないが、彼は才能のある人物ではなく完全な危険人物だ」と書いて、警戒を呼びかけた。また、残虐な金体制を終焉させられない合意は良い取引ではないと指摘した。

 民主党のシューマー上院院内総務は、首脳会談でトランプ氏が「残虐で抑圧的な独裁体制に国際的な正当性を与えてしまった」として批判した。