【米朝首脳会談】帰国拉致被害者にも期待と失望「戦いが待ち受けている」「結果は何もでなかった」 - 産経ニュース

【米朝首脳会談】帰国拉致被害者にも期待と失望「戦いが待ち受けている」「結果は何もでなかった」

 帰国拉致被害者も歴史的会談を見守った。拉致問題解決の糸口になる-と期待の声が聞かれたが、目に見える進展はなく、失望も交錯した。
 福井県小浜市で記者会見した地村保志さん(63)は、平成14年に帰国するまでいた北朝鮮は反米一本やりで「お互いが手を握るなんて驚きがあった」と語った。それだけに「米大統領の橋渡しで日朝首脳の対話が進み、一日も早い拉致問題解決が実現すればよい」と訴えた。
 曽我ひとみさん(59)は新潟県の佐渡市を通じコメントを発表。米朝会談に期待しないようにと自制してきたというが、開催が迫る中で「期待する気持ちが高まってきた」という。だが、「結果は何も出ませんでした。結局、米朝ともに拉致被害者家族が置かれている現状を理解してもらえなかった」とし、「もっと具体的な答えを引き出してほしかった。一分、一秒を争っていると何度も訴えてきたはず」と失望感をにじませた。
 一方、蓮池薫さん(60)は拉致被害者家族が高齢化する中、産経新聞の取材に対し、今回の会談を「最後に与えられた最高のチャンス」と書面で回答した。
 完全な非核化に向けた実質的な合意が、拉致問題解決の糸口になると望んでいた蓮池さんは、日本政府の取るべき姿について「(合意を)歓迎し、その合意の実現と拉致問題の解決のために日朝交渉を強く求めていくべきだ」とした。
 ただ、日朝交渉につながったとしても、北朝鮮が拉致被害者の帰国を実現させるかは不透明だ。蓮池さんは「まさに戦いといえる交渉が待ち受けており、シビアな情勢判断と戦略戦術が必要になる」とし、拉致問題の解決なしに経済支援は一切しないという原則を堅持することなどを求めた。